<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇5日◇大阪フェスティバルホール

 初戦の対戦カードが決まった。史上8校目の春夏連覇を目指す浦和学院(埼玉)は第3日の1回戦で選抜大会8強の仙台育英(宮城)と顔を合わせる。

 史上8校目の春夏連覇へ、センバツ優勝投手の浦和学院・小島和哉投手(2年)が、ドラフト候補の仙台育英・上林誠知外野手(3年)封じを期した。

 浦和学院のエース小島は、仙台育英・上林との対決を心待ちにしていた。優勝候補同士の激戦が予想される中、小島は「とんでもない打者とは分かっています。でも楽しみですね」と笑みを浮かべた。対戦経験はないが、昨秋の明治神宮大会での打撃をバックネット裏で見た。大会屈指の左打者への攻め方をすでに思い描いているかのようだった。

 小島の武器は右打者に投じるクロスファイア。内角をえぐる140キロ台の直球とスライダーを軸に今春のセンバツを勝ち抜いた。今夏はさらなるレベルアップを求めて左打者への攻め方を追求した。「課題は左打者のインコースを攻められるか」と話し、埼玉大会6試合では計50回に登板し3失点で9死球。埼玉大会では準々決勝で完全試合を達成。決勝の川越東戦で左打者の高梨公輔内野手(3年)にぶつけるなど強気に左打者への内角をえぐった。

 強力な味方もいる。春夏連続出場した96年のエースで、元巨人投手の三浦貴コーチ(35)だ。日本学生野球協会から7月29日に学生野球資格の回復が承認されたことに伴い、志願して指導を受けている。「捕手までの軌道を作れ!」。変化球ならば落ちる角度、直球ならば打者が一番嫌がる内角への軌道をイメージしろという内容の助言を受け、小島は「繊細なところを追い求めているので微妙な感覚が分かってきたかなと思います。左打者への内角も右と同じで線を作ればいいと分かりました」と言う。準備は万端だ。

 4日の甲子園練習では新品の黒のグラブを使ったが、それまで使用していたなじみの赤色に戻すことを決めた。「監督からも慣れ親しんだものでやった方がいいと言われたので。それに赤の方が安心して内角へ攻められます」。完全試合を達成した思い入れのグラブで東北の侍の懐を斬る。【栗田尚樹】

 ◆小島和哉(おじま・かずや)1996年(平8)7月7日、愛知・弥富市生まれ。小学1年から野球を始め、中学は行田シニア。趣味は寝ること。自己最速143キロ。持ち球は直球、カーブ、スライダー、チェンジアップ、スクリュー。175センチ、74キロ。左投げ、左打ち。O型。家族は両親、兄。

 ◆秋春V校が対戦

 昨秋の明治神宮大会で優勝した仙台育英とセンバツ優勝の浦和学院が対戦。秋と春のV校が夏に激突するのは87年準決勝のPL学園12-5帝京、12年決勝の大阪桐蔭3-0光星学院に次いで3度目。過去2度はセンバツ優勝校が勝っている。