<高校野球新潟大会:長岡5-4小出>◇11日◇1回戦◇三条パール金属

 夏の甲子園6度出場の古豪・長岡は、小出と熱戦を展開。8回に追いつくと、その勢いで延長11回サヨナラ勝ちした。エースの池山潤投手(3年)がサヨナラ打を放ち、その池山を7回から好救援した高橋利康外野手(3年)が、サヨナラのホームを踏んだ。長岡は2回戦で糸魚川と対戦する。

 エースとして、大黒柱としての意地だった。延長11回裏2死一、三塁。3番池山が内角の変化球を、腰を回して引っ張った。「(前の打席まで)全部体が突っ込んでいた。監督から打席の位置を後ろにしろと言われていた。突っ込まずに打てて、良かった」。野手の間を抜く右前打でサヨナラ勝ちを収めた。

 自然とバットを握る手に力がこもった。先発のマウンドに立つと、1回にいきなり3失点。「初回は悪くなかったが、直球を狙われた」と、追い掛ける展開をつくってしまった。しかし集中力は切らさなかった。「その裏に1点返してもらってまだイケると思った」と必死に投げた。

 6回4失点で接戦に持ち込んだエースを、主将が援護した。7回からリリーフした高橋は、2年夏以来の公式戦登板にも動じず、5回1安打無失点と完璧な投球。8回の同点劇を呼び込み、延長11回裏には2死から、この日4安打目となる二塁打を放ち、池山の安打でサヨナラのホームを踏んだ。「ここで打てなくても負けはないので、気楽にいけました」と笑顔を見せた。

 夏の甲子園6回出場を誇る古豪も、1979年(昭54)以来、聖地から遠ざかっている。今年4月、01年に十日町を甲子園に導いた若井聡監督(54)が就任した。池山は「どこを抑えるか、負けないために、次のプレーを考えろと言われ、勉強になっている」と手応えをつかんでいた。県有数の進学校で練習時間が限られる中で、効率の良い練習を心掛ける。池山は理数科で学年トップ20に入る秀才。通学の往復1時間を英単語の勉強に充てて両立を図っている。

 2回戦は糸魚川と当たる。池山は「今日は助けてもらったので、次は自分がチームを引っ張りたいです」。若井監督も「相手は力がある。胸を借りる気持ちで」と言葉に力を込めた。【高橋洋平】