<高校野球岩手大会:釜石7-2前沢>◇2回戦◇16日◇花巻球場

 釜石の双子選手、藤井雄聖外野手、雄大内野手(3年)がともに2安打を放ち、前沢を破る原動力になった。

 釜石の双子の兄、7番雄聖は5回裏、センターに人生初のランニング本塁打を放つと感極まって泣いた。12日の開会式の朝、母史枝さん(41)に「今まで出せなかった分、この夏全部出し切る」と手紙に書いて渡していた。有言実行の一打を「緊迫した中での先制点を取れたし、自分にとってもうれしいものだった」と笑顔で振り返った。

 その回、9番を打つ弟雄大も「兄にいい刺激を受けた。打ってやろう」と中前打。1番の三浦祐規(3年)の二塁打でホームにかえった。打球方向も同じ。別々に買いに行っても同じジュースを買ってくるように、息の合った攻撃で先制の2点を奪い、ともに2安打をマークした。

 兄は動なら弟は静。小学校1年からずっと一緒に野球をし、お互いに刺激し合ってきた。次は「ヤマだと(2人で)話していた」(雄聖)という盛岡四戦。再び2人で力を合わせて勝利をつかむ。

 ◆藤井雄聖、雄大(ふじい・ゆうせい、ゆうだい)1996年(平8)6月7日、岩手県釜石市生まれ。尾崎小1年で尾崎スポーツ少年団で野球を始める。甲子中を経て釜石に進学。身長はともに174センチ。体重は64キロ、65キロ。右投げ右打ち。家族は両親、姉、弟。血液型O。