1発KOパンチで甲子園だ。「炎の男」輪島功一(71)を大叔父に持つ旭川明成の輪島陸右翼手(3年)が、17日に旭川スタルヒン球場で行われた公式練習で左中間に鋭い飛球を放ち、パンチ力十分の打撃を見せた。「フォームが崩れていて、本調子ではありません。あと2日あるので調整します」と反省しきりだったが、思い切りのいいスイングは炎の男をほうふつとさせた。

 大叔父の影響で、小さいころはボクシングに取り組んだ。「お正月とかに家に来て酔った功一さんがカエル跳びジャンプとか教えてくれました。一瞬でいなくなり、すごいなあと感じました」。身内の世界チャンピオンは誇らしい存在だった。ボクシングは小学4年までだったが、直伝のカエル跳びが役立ったのは中学3年のとき。当時は捕手で「暴投がきて、思わず跳んじゃったんです」というナイスキャッチで事なきを得た。

 チームは12年ぶり2度目の地区突破、輪島は6番打者として9打数3安打、打率3割3分3厘、1盗塁と貢献した。公式戦で本塁打はないが「練習試合では20本ぐらい打ってます。最後の大会、1発打って甲子園を目指します」と胸を張った。【中尾猛】