<高校野球山口大会:岩国2-1熊毛南>◇決勝◇28日◇西京スタジアム

 第1シードの岩国が熊毛南を下し春夏連続、夏は7年ぶり5度目の甲子園出場を決めた。エースで5番の主将、柳川健大投手(3年)が投打に貢献だ。準決勝の宇部鴻城戦に続く1失点完投(被安打3)。打っては5回に先頭打者として中前打で出塁し、得点機が広がった1死一、三塁からの適時打で同点のホームも踏んだ。9回2死一、三塁、最後の打者から絶対の自信を持つスライダーで10個目の三振を奪うと、天に両拳を突き上げ大喜び。「熊毛南打線がいいと聞いていたので気合が入った」。センバツ右腕の意地とプライドで立ち向かった。

 先発したセンバツの初戦敗退(1-6)をバネにした。鹿児島・神村学園に決め球のスライダーを狙い打たれ暴投も多かったことから、スライダーを生かすための140キロ台前半の直球のキレやフォークの精度向上に励んできた。この日、3回に無死三塁のピンチを背負ったが、巧みな配球から最後はスライダーで後続3人を打ち取った。成長の証しだった。リベンジの夏となる甲子園へ「強いチームに追いつき、ベスト4に入りたい」。必ず雪辱を果たしてみせる。【菊川光一】

 ◆柳川健大(やながわ・たけひろ)1996年(平8)9月13日、山口県生まれ。野球は小1から玖珂スポーツクラブで始める。玖珂中では軟式野球部に所属。岩国では2年秋からエースで5番。右投げ右打ち。遠投100メートル。好きな選手はヤンキース田中将大投手。183センチ、69キロ。血液型AB。家族は両親と兄。

 ◆岩国

 1847年(弘化4)に設立された藩校養老館を前身に1880年(明13)、岩国中学として創立の県立校。1950年(昭25)に岩国高等女学校を統合し、現校名に改称。普通科と理数科があり、生徒数は830人(女子397人)。県内屈指の進学校。野球部創部は1900年(明33)で部員数は38人、マネジャー4人。甲子園は春7回、夏5回目。昨秋の神宮大会初出場。卒業生には作家の故宇野千代さんら。所在地は山口県岩国市川西4の6の1。松根健治校長。◆Vへの足跡◆2回戦8-1下松3回戦10-3光準々決勝6-3下関中央工準決勝2-1宇部鴻城決勝2-1熊毛南