<全国高校野球選手権:東海大四6-1九州国際大付>◇14日◇1回戦

 21年前も同じ日、同じ場所で、笑っていた。東海大四(南北海道)の大脇英徳監督(39)が主将から立場を変えて甲子園に戻り、白星を手にした。主将で捕手だった93年以来、今大会出場チーム最長ブランクの21年ぶりに聖地の土を踏み、そして流れた校歌を、選手と一緒に歌い上げた。「選手が大観衆のなかで堂々と戦ってくれた」と目を細めた。

 当時を思い出さずにはいられない、縁を感じている。今大会は台風11号の影響で2日順延して開幕した。そのため試合日が21年前と同じ、8月14日になった。雨天中止やノーゲームなど、雨に左右された大会だった点もよく似ている。初戦の相手は九州国際大付と同じ福岡勢の東福岡(2回戦)で、4-3で勝利。初戦突破は偶然の重なりによる必然だったのかもしれない。

 東海大系列過去最高の4校が出場するなか、「縦縞のプライド」を胸に刻む。名物のストライプのユニホームは、甲子園出場を機にラインをより太く、くっきりとしたデザインに変更した。東海大系列野球部名誉総監督、原貢氏(享年79)が5月に亡くなり、「チーム東海」の結束は強まっている。この日、先に試合した東海大甲府(山梨)が初戦で姿を消していただけに、火がついた。「(系列校と)上の方で当たれば」と共闘を誓う。

 ウイニングボールはエース西嶋に渡した。次の試合でもらえればと願っているからだ。「今日は自信になった」。1勝にとどまった21年前をそのまま再現するつもりはない。当時の自分にも挑戦する。【保坂果那】