札幌日大の松田進吾外野手(3年)が9月30日、プロ志望届を北海道高野連に提出し、日本高野連に受理された。50メートル5秒7の俊足に加え、憧れの王貞治氏(74)を手本に磨いた「1本足打法」で高校通算25本塁打を積み上げた左の強打者は「後悔したくなかった。チャンスが残されているなら、目指したいと思った」と、周囲の反対を押し切って、今回、志望届を提出。意思を貫いた。

 高校入学後から、プロ入りへ向けて、歩き方や座る姿勢など細部にわたって、体の使い方に注意を払ってきた。今夏の南北海道大会準決勝で敗退し、2日後には練習を再開。これまでも冬場は木製バットで練習してきたが、現在、打撃練習で使うのは木1本だ。「どれだけ野球をやっていても、プロへ行かないと意味がない」と、高い意識を持って高校生活を送ってきた。

 豪快な1本足打法が目を引くが、アピールポイントは「身長と足。身長やスピードは遺伝的なものなので」。中学時代の内申点は最高のAランク(3カ年評定オール4でDランク)だった知性派は「プロになれたら、お金も時間も野球に費やしたい」と意気込む。育成枠での指名なら、大学進学の予定。潜在能力抜群の有望株は、冷静に吉報を待つ。【中島宙恵】

 ◆松田進吾(まつだ・しんご)1996年(平8)8月14日、札幌市生まれ。札幌澄川南小1年の時に緑ケ丘パワーズで野球を始め、同小6年で日本ハムファイターズジュニアとして12球団ジュニアトーナメント準優勝。札幌澄川中時代は札幌グロウィングス(現北広島ボーイズ)に所属。札幌日大では1年春からベンチ入りし、3年時は主将兼4番を務めた。「活字好き」で小説では東野圭吾、山田悠介らの作品を好む。家族は両親と兄、祖母。187センチ、78キロ。右投げ左打ち。