<高校野球沖縄大会:浦添商5-2沖縄尚学>◇13日◇決勝 沖縄尚学・東浜巨(ひがしはま・なお=3年)の春夏連覇の夢は消えた。閉会式。春と同じ紫紺のリボンのメダルをかけられたが、その色は銀。東浜はうつむいて行進した。比嘉公也監督(27)も「甲子園に連れて行ってやれなかった。責任を感じています」と、その声は沈んでいた。

 試合前、アクシデントがあった。渋滞の影響で球場到着が遅れ、ナインの準備ができたのはノックの5分前だった。集中する時間もなく試合に入った。東浜は変化球の制球に苦しみ、直球中心で攻めた球を狙い打ちされた。「少し気持ちの整理ができてなくて焦っていた」。2回以降は立ち直り、10三振を奪った。最速144キロ、144球の意地の投球だった。「悔いよりやり切った、という気持ちの方が強いです。思い残すことはありません」。

 どん底と喜びを味わった高校生活だった。1年秋は不祥事で1カ月の対外試合禁止。昨夏は試合中に倒れた。そして今春は全国の頂点に立った。「波瀾(はらん)万丈の高校時代だったけど、いろんなことがあったから今の自分たちがあると思います。みんな最高の仲間だと思っています」。東浜はこういって3年間を振り返った。