<高校野球秋田大会:大曲工7-1西仙北>◇15日◇2回戦

 第3シード大曲工が7-1で西仙北に快勝した。4番佐々木浩晃捕手(3年)が1回に先制3ランを放つなど3安打4打点と爆発。同校は、今春センバツ21世紀枠候補校を辞退。自力での甲子園へ向け、主将がバットでチームをけん引した。第5シード能代、第7シード横手は初戦で敗れた。

 全力プレーでチームを鼓舞する佐々木浩主将。「気付くとなっている」というユニホームはいつも泥だらけだ。そのユニホームが、まだ白いままの1回1死一、二塁。佐々木浩はフルカウントからの6球目を振り抜き、左翼芝生席へ放り込んだ。高校通算11号に「公式戦は初めて。思い切り振ろうという心がけが、ああいう形で出た」。4回には中押しの適時打も放った。

 前日、雨で試合が流れた。室内でティー打撃を行った佐々木浩主将は、はやる気持ちからか「思うような打撃ができていなかった」という。体の開きに気付き「納得いくまで振った」。技術的にはマリナーズ城島の打撃を参考にしている。「しっかり踏み込んで、足で打つ」と、いいイメージも取り戻し、今夏初打席での1発を放って見せた。

 チーム17安打も7点とやや不満顔だった阿部大樹監督(37)も「(佐々木浩が)いいのろしを上げてくれた。1試合目の不安を一気に振り払う1発だった」とたたえた。自力での初甲子園を狙う大曲工。主将の大花火で、華々しく夏が始まった。【清水智彦】