<高校野球山形大会:酒田南1-0山形城北>◇20日◇準々決勝

 V候補の酒田南は、今大会初先発の左腕・安井亮輔(2年)が、14三振を奪い2安打完封。打っても8回2死二塁で決勝打を放つ活躍で、山形城北を1-0で下した。

 最後の打者を空振り三振に仕留める。それまで表情ひとつ変えずに投げ抜いてきた安井は、一気に感情を爆発させ、マウンド上で雄たけびを上げた。「打たれたり、判定に不満があっても調子を乱すので、顔には出さないようにしてる」の言葉通り、この日も堂々としたピッチングを貫いた。

 最速135キロの直球とカットボールを織り交ぜ14奪三振。それでも安井は「三振は意識してない。打たせることを考えたけど、今日はまっすぐが走っていた」と涼しい顔だ。左腕がしなれば、バットも火が噴く。8回には自ら虎の子の決勝点をたたき出した。西原忠善監督(45)も「コースによく投げていた。打たれるような気がしなかった。打撃にも期待している」と全幅の信頼を置く。

 安井の好投で、ここまでの2試合で先発したエースの小山貴史(3年)を温存できた。西原監督は「調子の良い方を使っていく」と層の厚さに自信を見せた。また、6月に左肋骨(ろっこつ)を骨折し、戦列を離れていた攻守の柱、山本耀志主将(3年・遊撃手)も今大会から復帰。3年ぶり8度目の夏制覇へ「本命」に好材料がそろった。