<高校野球西東京大会>◇24日◇準決勝

 西東京大会準決勝の「日大対決」「早大対決」に神宮が沸いた。春の都大会を制した日大鶴ケ丘がセンバツ準優勝の日大三を延長14回の死闘の末、6-5で下した。41年ぶりの対決は、早実が“本家”早大学院に7-3で貫禄(かんろく)勝ち。26日の決勝は08年と同カードになった。

 41年ぶりの「ワセダ対決」を制したのは早実だ。両チーム、得点するたびに応援歌「紺碧(こんぺき)の空」が神宮に響いた。集まった観衆は1万5000人で、今夏初めて外野スタンドを開放。和泉実監督(48)は「早稲田の校歌を逆側で聞くと嫌なもの。神宮を早稲田が貸し切った感じ。決勝は(早大学院も)後押ししてくれると思いますし、早稲田で良かったと思う」とかみしめた。

 先制点は「遼クンパワー」を吸収した柿沼陽亮外野手(3年)が生んだ。2回2死二塁から左前先制適時打を放った。1学年上のプロゴルファー石川遼とは同じ松伏二中(埼玉)出身で、ともに陸上部だった。昨秋、学校で偶然再会。「お互い頑張ろうと言われました。あのままでいい人」と力にする。

 男子校の早大学院に対して早実は共学。エース鈴木健介(3年)は「向こうはチア(ガール)がいないので、(応援の)テンポが速くて面白かった」と冷静だった。4回から登板し、3安打で要所を締めた。決勝は、敗れた08年決勝の再戦。「3年間早実のマウンドを守ってきた集大成。ビシッと抑えて甲子園に行きたい」と誓った。勝利すれば、夏は早大・斎藤を擁した06年以来の甲子園になる。【前田祐輔】