今オフは、かつてないほどフリーエージェント(FA)市場が停滞し、依然として50人前後の選手が契約に至っていません(4日現在)。しかも、その中には、実績のある大物選手が数多く含まれており、今後の行方が注目されています。米国人記者の中には、未契約選手だけで新たに「31球団目」となる新チームを結成して参入してはどうか、とジョークとも本気とも取れない口調で話す人もいます。確かに、名前を挙げていくと、そうそうたる実力者がズラリと並びます。そこで、個人的な思い入れ、つまり完全な独断と偏見ですが、未契約FA選手で「ドリーム・チーム」を編成し、スタメンを想定してみました。

 <1>(右)イチロー(44=マーリンズFA、通算3080安打、球宴10回、ゴールドグラブ10回)

 <2>(中)メルキー・カブレラ(33=ホワイトソックスFA、通算1786安打、球宴1回)

 <3>(左)カルロス・ゴンザレス(32=ロッキーズFA、通算215本塁打、10年首位打者、球宴3回)

 <4>(指)ホセ・バティスタ(37=ブルージェイズFA、通算331本塁打、本塁打王2回、打点王2回、球宴6回)

 <5>(三)マイク・ムスタカス(29=ロイヤルズFA、17年38本塁打、球宴2回)

 <6>(一)マーク・レイノルズ(34=ロッキーズFA、通算281本塁打)

 <7>(二)ニール・ウォーカー(32=メッツFA、通算打率2割7分2厘、130本塁打)

 <8>(捕)ジョナサン・ルクロイ(31=ロッキーズFA、球宴2回、17年WBC米国代表)

 <9>(遊)JJ・ハーディー(35=オリオールズFA、通算188本塁打、ゴールドグラブ3回)

 (先発投手)ジェイク・アリエッタ(31=カブスFA、15年サイ・ヤング賞、球宴1回)

 (クローザー)グレッグ・ホランド(32=ロッキーズFA、17年ナ・リーグセーブ王、通算186セーブ、球宴3回)

 このほか、マット・ホリデー、ジェイソン・ワースらのスラッガーをはじめ、投打の実力派が数多く控えており、チームの総合力は間違いなくプレーオフを狙えそうなレベルです。

 春季キャンプがスタートして、はや3週間が経過しようとしています。50歳まで現役を目指すイチローはもちろんのこと、他の未契約選手は、どんな思いでトレーニングを続けているのでしょうか。「31球団目」の夢物語はともかく、球界の財産でもある各選手の契約締結を、ただ願うばかりです。

【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「メジャー徒然日記」)