イチロー外野手が古巣のマリナーズに復帰することが決まり、現地7日、スプリングトレーニングの地アリゾナ州ピオリアで記者会見が行われた。この件を多数のアメリカ・メディアがウェブサイトなどで速報している。

 シアトルの地元紙シアトル・タイムズは「イチローが公式に再びマリナーとなる」という一文で始まる記事を掲載。月曜にマリナーズが獲得するという噂が出た後、この日の午後にジェリー・ディポートGMと行った記者会見をことを伝えた。その中ではイチローが2012年7月にヤンキースにトレードされた後の経験について「実際5年間でたくさんのことがありました。5年で本当に多くのことを経験しました。たくさんの経験から学びました」と語ったとしている。

 さらにディポートGMは「数人の負傷者が出て、キャンプが始まったときのような選手層ではありません。すぐメジャーリーグのクラブとしての力を得るため、少しの補強が必要だと判断し、イチローと接触しました。1週間近く、5、6日前だったと思います。イチローが復帰するための交渉は双方時間がかかりませんでした」と獲得の背景と経過を説明し、さらにイチローのようなベテランがクラブに前向きな雰囲気をもたらしてくれるとも話したということだ。

 一方、スポーツニュースサイトSBネーションやMLB公式サイトなどが注目したのが記者会見でのエンゼルス大谷翔平選手に関する質問への発言だ。イチローは大谷の印象を訊かれ、「大谷選手がエンゼルスと契約したとき、テキストをくれて、やりとりした。日本でも何度かプライベートで会った。明らかに年齢は違います。自分が父親で彼は息子のよう。でも精神的には彼が父親で自分が息子のようです」と話している。

 さらに同じ地区のチームに所属することから対戦する可能性について「まだ翔平がプレーしているところを実際に見たことがないので、まず見てみたい。でも『誰が見ても世界一の才能と言っていい』とよく聞く。そんな選手と対戦することは野球の醍醐味の一つだと思うし、必ず実現させたい。でもそれは、僕がピッチャーで」と語った。

 SBネーションなどは特に最後の言葉に反応しているのである。二刀流の大谷が打席に立ったとき投手として対決したいという点に対し、同サイトは大谷自身イチローの投手としての能力を認めている、と紹介。実現は難しいだろうがシーズンの状況などが許せば「実現すべき」とまで断言した。それだけ大谷の二刀流挑戦は注目されており、実際登板経験のあるイチローの実績も認知されているということだ。

 イチローのマリナーズ復帰はアメリカでもこれほどまでに注目されているのである。