不惑のナックルボーラーが8年ぶりのメジャー復帰に挑戦だ。オリオールズが15日、今季独立リーグ・ルートインBCリーグの福島でプレーした大家友和投手(40)とマイナー契約を結んだと発表した。大家は09年まで大リーグ通算51勝をマーク。来季で41歳を迎えるが、魔球を武器にブランクをはね返そうとしている。

 “伝家の宝刀”を携えたベテランの投球が、再び大リーグスカウトの目に留まった。今季BC福島でプレーした大家がオリオールズと入団合意。マイナー契約だが、09年以来のメジャーマウンドに続く道を勝ち取った。来年3月に迫る41歳を前に「年齢的にじっくり育ててくれる時間はない。何とか公式戦で投げられるように頑張りたい」と息巻いている。

 11月2日、米アリゾナ州に渡った大家は、レイズやロイヤルズなどの関係者の前で実技を披露した。マイナー有望株4選手を相手に約60球。ナックルを武器に、芯で捉えられたのは「3球ぐらい」だった。これをオ軍のシューラー特別スカウトが高く評価。「変化や制球力は申し分ない。もう少しスピードがほしいが、これから備わってくる」と契約につなげた。

 ボールに回転が加わらず、予測不能な軌道で揺れ落ちる。メジャーでも使い手の少ないナックルボールに再起をかけている。かつては最速151キロを誇り、ブルワーズなどでメジャー通算51勝を挙げた。だが10年に日本球界に復帰した後、11年オフに右肩を手術。球威は戻らなかった。横浜を自由契約になり、浪人生活を送った12年「試しに投げた」ことがきっかけでナックルボーラーに転身した。

 球速は遅く習得も難しいが、肩への負担が少なく選手寿命が長いといわれる。「ナックルは技術が向上すればいいボールが投げられる。ここでチャンスをつかむために今まで一生懸命、ナックルを磨いてきた」とアピールの成果が実った。13年オフにブルージェイズとマイナー契約した際は、翌年3月に早々と自由契約になった。今度こそ-。まずは来春のマイナーキャンプで生き残りを目指す。

 ◆大家友和(おおか・ともかず)1976年(昭51)3月18日、京都府生まれ。京都成章から93年ドラフト3位で横浜入団。94年4月29日ヤクルト戦に救援登板し3球でプロ初勝利。98年オフに自らの希望で自由契約になり、レッドソックスと契約。ナショナルズなどを経て、10年横浜復帰。翌年の退団後、日米の独立リーグに所属。13年オフにブルージェイズとマイナー契約を結ぶも翌年3月に自由契約。今季はBCリーグ福島でプレー。メジャー通算202試合で日本投手歴代5位の51勝68敗、防御率4・26。185センチ、91キロ。右投げ右打ち。