<レッドソックス3-4ロイヤルズ>◇27日(日本時間28日)◇フェンウェイパーク

 【ボストン(米マサチューセッツ州)=四竈衛】レッドソックス松坂大輔投手(29)が、大乱調で自滅した。ロイヤルズ戦に先発し、4回まで無失点に抑えたものの、5回に押し出しを含む自己ワーストの1イニング5四球1暴投と制球を乱し、逆転されて降板。4回2/3を投げて2安打3失点9四死球で2敗目(3勝)を喫した。

 選手たちが次々に帰宅する中、ロッカー室で立ち話のまま行われた松坂と捕手バリテックの反省会は、30分以上に及んだ。自己ワーストの1イニング5四球を含む9四死球。黒星を悔やむ以上に、修正点の確認こそが急務だった。「これだけ体が言うことをきいてくれなかったのは久しぶりでした。スピードは出ていてもキレはなかったし、バットを押し込むような勢いもなかった。テック(バリテック)もどうしようもなかったと思います」と振り返った。

 原因は、投球フォームの乱れだった。8回1安打無失点とノーヒッター寸前の快投を演じた22日フィリーズ戦後、下半身に張りを感じた。24日のブルペン投球でもその影響は残っていたが、松坂にとっては許容範囲内だった。それでも、この日の試合前練習で「良くないのは把握していた」と言うほど、バランスを崩していた。

 序盤から速球がシュート回転で抜け、スライダーは大きく滑った。「上体に頼った投げ方をすると、こういうことになりますね」。延べ打者25人中17人に初球ボール。4回まではなんとか1安打無失点に抑えたものの、途中降板した5回は、43球中23球がボールと、3失点で収まったのが不思議なほど、球筋は荒れた。

 好投と乱調を交互に繰り返してきた。1日の今季初戦でフランコナ監督は突然の乱調を「ローラーコースターのようだ」と表現したが、ここまで登板6試合の調子の波も同様だ。剛球ともろさが同居する現実。過去3年より速球の威力は増しても、不安定さは否定のしようがない。「あまり神経質にならない方がいいとは思ってます。悪かった点を見つけて、次の登板までにクリアにしていきたいですね」。揺らぎない信頼感を得るためには、無安打の快投より、安定感のある投球を続けるしかない。