<メッツ3-1マーリンズ>◇14日(日本時間15日)◇シティフィールド

 383日ぶりに勝った-。メッツ松坂大輔投手(33)がマーリンズ戦に先発し、7回2安打1失点と好投し、昨年8月27日以来となる白星をつかんだ。

 長かった。383日ぶりの白星の味は、やはり格別だった。抑えのホーキンスからはウイニングボールを手渡された。「今年は勝つのが難しいと思ってました。素直に、勝った瞬間はうれしかったです。去年の1勝よりうれしかったですね」と、久しぶりに“大輔スマイル”がのぞいた。

 メ軍移籍後4試合は未勝利でも、気持ちは吹っ切れていた。前日13日は33歳の誕生日。クラブハウスでは料理担当の女性が手作りケーキを準備し、同僚たちがバースデーソングを歌って祝ってくれた。「ちょっと恥ずかしかったです」と言う一方で、こまやかな心遣いが心に染みた。32歳の1年間は未勝利に終わったが、33歳になった途端、白星を手にした。「月が変わればツキも変わる、と言いますが、32歳で1回も勝てなかったのが、33歳ですぐに勝てたので、今までとはちょっと違うんですかね」。あまり験を担ぐタイプではないものの、好結果は間違いなくプラス材料だった。

 もちろん、現状に満足はしているはずがない。移籍先が決まらなかった昨オフ以来、今季途中も日本復帰のウワサが絶えなかったが、選択肢に日本はなかった。すべては、メジャーのマウンドで結果を残すためだった。「自分の中でしっかりとした形とは思えない。ただ、新しいスタートが切れたかな、とは思います」。やり残していることは、本来の剛球復活。メジャー通算51勝目は、再出発点にすぎない。【ニューヨーク=四竃衛】