2015年プロ野球シーズンが3月27日に開幕します。今年はどんな選手がブレークしチームを引っ張るのか? 日刊スポーツの担当記者が注目するイチ押し選手を投手編、野手編、外国人選手編に分けて21日から紹介します。

 第1回はパ・リーグ投手編です。

 ▽ソフトバンク 飯田優也(24)

 プロ3年目の左腕は、セットアッパーとして大ブレークの予感を漂わせている。育成選手で入団。昨年5月に支配下登録され、先発で2勝を挙げた。工藤監督と佐藤投手コーチの指導により、パワーアップ。140キロ台半ばの直球とスライダーは抜群のキレ味を誇る。先発ローテーションには入れなかったが、オープン戦では中継ぎ起用。三振の取れる投球スタイルに工藤監督が「すごくいいな、と思う。向かっていく姿勢があるので、バッターは怖いだろう」と絶賛。勝ちパターンでの大活躍は確実だ。【ソフトバンク担当 田口真一郎】

 ▽オリックス 松葉貴大(24)

 入団3年目の貴重な左腕。昨年は5月から先発ローテに定着して8勝1敗、防御率2・77の好成績を残した。直球は140キロ台前半ながら、右打者の内角を突く強気な投球が持ち味。今季は「左打者への対策」と自ら課題を掲げてオフからツーシームの習得に乗り出した。侍ジャパンで先発した3月11日の欧州代表戦は3回5失点。同18日のオープン戦ラスト登板も4回10安打5失点と打ち込まれたが、森脇監督は「ローテの1人と計算している」と期待している。【オリックス担当 大池和幸】

 ▽日本ハム 有原航平(22=早大)

 不気味な静けさを漂わせながら、着々と後れをとっているルーキーイヤーへ照準を合わせている。早大時代からの右肘違和感の影響で、即戦力ながらキャンプ2軍スタートと出遅れ。順調に回復傾向を見せており本格的にベールを脱ぐ日まで、秒読み段階に入ってきた。これからステップアップ、アピールをすれば、早ければゴールデンウイークには1軍デビューの可能性もある。大学の先輩、小宮山悟氏(日刊スポーツ評論家)が「アイツはモノが違う」というほど。同じ右のパワー投手の大谷と競り合えば、その底知れぬ素質がはじけるかもしれない。【日本ハム担当 高山通史】

 ▽ロッテ 涌井秀章(28)

 成瀬が抜けた今季、投手陣を引っ張る立場になった。オフから早々に開幕投手を目指すと宣言。移籍1年目の昨季は、8勝12敗と不本意な成績だっただけに、今季に懸ける意気込みは、言動にもにじみ出ている。実績も、実力も、球界トップクラス。本来の力を発揮できるかに、チームの浮沈がかかっていると言っても過言ではない。名実ともに、エースとなるべきシーズン。まずは27日、ヤフオクドームで開幕戦のマウンドに上がる。【ロッテ担当 古川真弥】

 ▽西武 菊池雄星(23)

 プロ6年目の今季は「覚悟を持って今年が勝負」と決意を抱く。昨季は5勝11敗でシーズン最高は13年の9勝。オフに肉体改造を図り、体重は一時、大台の100キロを突破した。キャンプ中の左肘炎症やフォーム固めなどで出遅れ、開幕ローテからは外れた。だが潜在能力を発揮すれば球界屈指の力を誇ることは間違いない。【西武担当 広重竜太郎】

 ▽楽天 松井裕樹(19) 

  先発からリリーフへ配置転換を通告され、当初は戸惑いも見せたが「2年目の19歳に大事な8回というイニングを任せていただけるということに責任を感じる」と切り替えた。スライダーとチェンジアップは一級品。スプリットの習得に取り組むなど、奪三振率をさらに高める。抑え候補のミコライオの負傷離脱で抑えに正式就任。12球団最年少の守護神が勝利のカギを握る。【楽天担当 島根純】