3月27日にプロ野球が開幕します。何と言っても気になるのが、活躍未知数の外国人選手です。

 開幕特集第5回は、春季キャンプから日刊スポーツのプロ野球担当記者が、こっそり教えてくれたイチ押しの外国人選手を紹介します。

 ▽ソフトバンク リック・バンデンハーク投手(29=韓国サムスン) 

 昨年、韓国リーグ・サムスンで最優秀防御率と最多奪三振の2冠を獲得した元メジャー右腕。198センチの長身を生かし、ゆったりとしたフォームから投げ下ろす直球は角度があり、球速も速い。スライダーの精度も良く、安定感のある投球が期待できる。左内転筋痛で出遅れ、開幕ローテ入りの可能性は低いが、3月14日教育リーグ広島戦では3回を無安打無失点に抑えた。先発争いは激しいがチャンスさえつかめばシーズン2桁勝利も十分見込めそうだ。【ソフトバンク担当 福岡吉央】

 ▽オリックス ブライアン・バリントン投手(34=広島)

 昨年まで広島4年間で40勝をマークした。スライダー、ツーシームを武器に安定感を誇る右腕。02年に全米ドラフト1巡目指名された実績を持つ。「新しいチームメートとも仲良くやっている」と、すぐにチームにとけ込んだ。広島時代からラーメン好きは有名。「どんな味も食べるけど、塩ラーメンが一番好き」と打ち明けた。昨季終盤は右肘痛で離脱したが影響はなさそう。森脇監督も「1年間ローテで回ってくれる1人というのは間違いない」と期待を寄せている。【オリックス担当 大池和幸】

 ▽日本ハム ジェレミー・ハーミッダ外野手(31=パドレス)

 野手の新戦力の中で一番の目玉で、昨季までの打線のウイークポイントを埋めると期待されている。大谷が野手で出場しない場合に、昨季は適任の5番打者がおらず日替わりだったが、解消できそうなポテンシャルを誇る。02年の全米ドラフト1巡目(全体11位)でマーリンズ入団。メジャー通算632試合出場の実績を持つ元大リーガー。広角に打ち分け、パンチ力も兼備。大谷が5番で出場なら6番に座ることが濃厚。日本の投手に早期対応できれば新打線の破壊力は増すだけに、キーマンの1人になる。【日本ハム担当 高山通史】

 ▽ロッテ チェン・グァンユウ投手(24=DeNA) 

 台湾出身。多彩な変化球を操る技巧派左腕で、低めに集め打たせて取るのが真骨頂だ。昨季まで所属したDeNAでは、外国人枠もあって出場機会に恵まれなかった。昨秋の入団テストを経て移籍。伊東監督が「拾い物と言ったら、失礼」と言うほど、アピールに成功した。先発ローテの一員として、新天地でひと花、咲かせたい。通訳はおらず、一生懸命に日本語をしゃべる姿も好印象。ファンの人気も高まっている。【ロッテ担当 古川真弥】

 ▽西武 郭俊麟投手(23=国立台湾体育運動大)

 台湾の大卒の新外国人右腕は2ケタ勝利を期待されている。最速153キロの直球を軸にスライダー、チェンジアップ、シンカーなどを巧みに配して実戦向きだ。田辺監督はかつての同僚で同郷の郭泰源の名前を挙げ「球のキレとか、泰源に似ている」と力を認めている。新人王の有資格者でもあり、タイトル獲得も狙える才能だ。【西武担当・広重竜太郎】

 ▽楽天 ゼラス・ウィーラー内野手(28=ヤンキース)

 人気のおもちゃに似ていることからあだ名は「ポテトヘッド」。ずんぐりとした体形だが、動きは軽快で内外野の守備をこなす万能選手だ。当初は状態が上がらず周囲が心配したが、「実戦で調整していくタイプだから」と試合を重ねるごとに打撃も上昇。大久保監督も「どこでも使える」と評価。明るいキャラクターでチームを引っ張っていく。【楽天担当・島根純】