仙台大は東北学院大に先勝した。ドラフト1位候補の右腕熊原健人(4年=柴田)が初回、自己最速タイの152キロをマークするなど7安打1失点(自責0点)と好投。毎回の12奪三振で、リーグ通算13勝目を挙げた。

 この秋2度目登板の熊原が、より進化した姿を見せた。初回裏、いきなり無死二、三塁の窮地を背負ったが、落ち着いて後続を断ち切った。2死からは相手5番に対して自己最速タイの152キロで初球ストライク。最後は空振り三振に切り捨てた。

 優勝戦線生き残りをかけた東北学院大とのAクラス対決。同じドラフト候補の相手エース本田圭佑(4年=東北学院)が1戦目登板を回避する中、「なおさら負けられないと思った。すごく気合が入りました。先勝できてよかった」と主戦の役割を果たした。

 今秋は背筋を痛めて出遅れた。前節の宮城教育大戦でマウンド復帰。「先週は5回でへばってしまったけれど、今日は5回以降、コントロールを乱さずに投げられた」と練習の成果を口にした。振り上げた左足の体重移動時の動きも自ら修正。「しっくりきて体の動きもスムーズになり。スピードも制球も戻ってきた」と実感している。

 大好きな牛丼を食べて体重も86キロまで増やし、平均球速も威力も増した。今秋初視察の巨人・榑松(くれまつ)伸介スカウトは「勝負どころで一番いいボールを投げられる。好不調の波がなく、先発でもリリーフでも適性がある。うち(巨人)がどうこうでなく、間違いなく1位候補でしょう」と太鼓判を押した。【佐々木雄高】