日本ハムからドラフト6位指名された慶大・横尾俊建内野手(22)が、背水の覚悟でプロに飛び込む。13日、横浜市内のホテルで契約金3000万円、年俸750万円(推定)で仮契約を結んだ。今秋東京6大学リーグ記録に並ぶ4試合連続本塁打をマークした未来の大砲候補は、大志は胸に秘め、超現実路線で一流プレーヤーを目指す。

 踏み入れるステージの厳しさを想像していた。仮契約を終えた横尾は「2年後、自分が(プロ野球に)いるか分からない」。1年目の目標を問われても見当がつかなかった。「口では開幕1軍とか言えますけど…。大学の時より、いいパフォーマンスを出してきたい」と、言葉を選んだ。

 10月22日のドラフト会議。同僚で同リーグ現役最多15本塁打を放った谷田が、まさかの指名漏れ。社会人の強豪JX-ENEOS入りが決まり、2年後のプロ入りを目指すことになった。「応援したいですが、まずは自分が頑張らないと」。前日12日に発表された同僚の進路に身が引き締まったからこそ、プロ入り前から背水の気持ちが宿った。

 実績十分の野球エリートも、おごりはない。日大三(東京)では11年夏の甲子園で4番として全国制覇に貢献。慶大では1年から公式戦に出場した。実力を伸ばしたが「まだ、ひよっこなので」と自己分析する。

 最短の目標だけを口にした。「(来年1月の)新人合同自主トレで動ける体を、まず作りたい」。スタートラインで出遅れないことが、第1歩。「人生が、かかっているんで。がむしゃらに食らいついていきたい」。強い覚悟を携えて、1年目から勝負していく。【木下大輔】