ソフトバンク和田毅投手(34)が「松坂世代」の逆襲を誓った。14日に福岡市内のホテルで入団会見を行い、5年ぶりの日本球界復帰に向けての決意を表明。「僕らの世代は、まだまだやれるんだぞというところを見せたい」とともに球界を引っ張った松坂大輔投手(35)とのコンビ結成に意欲を見せた。背番号は「21」。3年契約で総額12億円プラス出来高払い。(金額は推定)

 「松坂世代」は栄光も挫折も知る年齢になった。再び日本球界で存在感を見せつけることができるか。古巣復帰を果たした和田の言葉は力強かった。

 「僕らの世代も減っている。まだまだやれるんだぞ、というところを見せたい。大輔を先頭にやっていきたい」

 プロ入り後はエースとして君臨し、海を渡った。ここ数年は故障で苦しんでいる。松坂とは同じ道を歩んできた。しかし闘志は失っていない。世代を代表する投手として、共闘、そして逆襲を誓った。

 日本球界復帰は5年ぶりになる。ホークスのユニホームに再び袖を通すことに迷いはなかった。米国残留との二者択一の中で、強く感じたのは、福岡への恩返しだ。

 「今年の成績を考えると、アメリカではこれ以上、必要とされない。いい時のボールを福岡のファンの前で投げるには、今年が最後のチャンス。迷わずに決めた。他球団の話は一切聞いていない。恩返しする機会は最後だと思った」

 11年オフにFAでメジャー挑戦した際には、球団やファンに快く送り出してもらった記憶が鮮明に残っている。それが決断を後押しした。

 会見に同席した工藤監督は大きな期待を寄せる。順当に調整が進めば、開幕ローテーションで起用することを早くも明言した。

 「(体調に)何の問題もなければ、彼ぐらい実績のある投手が実績のない投手と一緒のラインで戦うことはない。僕の中で横一線はない。力の世界では当然です。少しずつ門は狭くなる。若い人には自覚してほしい」

 今季は大隣が故障で離脱した後、右投手オンリーの先発編成だった。待望のエース左腕の加入だ。若手からベテランから投手陣のサバイバルは激しさを増す。「松坂世代」の復活は、3連覇の強力な原動力になる。【田口真一郎】