西武高橋光の左足の位置が“致命傷”となった。同点とされ、なお1死満塁の6回。西川に投じたフォークが暴投になると三塁走者レアードに続き、二塁走者浅間も本塁へ突入してきた。右腕は「2人目はかえしたくない場面。必死だった」と本能的に走者と相対する形で捕球体勢に入った。ベース上で交錯しながら、いったんはアウトと判定されたが、審判団はビデオ映像を確認。広げた左足がわずかにホームベースにかかっており、コリジョン(衝突)ルールが適用され、無安打で2点を勝ち越された。

 同ルールが適用されて、判定が覆るのは初めて。高橋光は「ルールはもちろん知ってましたが頭がいかなかった。冷静に対応出来なかった自分のミス。悔しいです」と唇をかみしめた。

 盲点でもあった。捕手陣は、キャンプから対応策を重ねてきたが、投手陣の練習メニューには組み込まれていなかった。潮崎ヘッド兼投手コーチは、ケガのリスクを指摘しながらも「挟殺プレーで、投手がホームカバーに入るケースもある。あらためて確認を徹底しないといけない」と話した。

 この回の大量5失点は失策、連続四球も絡んだ。新ルールに足をすくわれた負の流れを止めきれず、借金は最多の5。単独最下位に転落した。【佐竹実】

 ◆コリジョンルール

 本塁での危険な衝突(コリジョン)を避けるための規定で、今季から導入されている。

 走者が故意に捕手に接触しようとした場合はアウトになり、捕手がボールを持たずに走路をふさいだ場合は得点が認められる。審判員は悪質な衝突をした走者や、本塁上でブロックした捕手に警告を与え、危険極まりない衝突だと判断された選手は退場になる。

 6日の日本ハム浅間のケースは、本塁ベースカバーに入った西武高橋光が走路をふさいでいたため浅間と接触プレーになったと判断された。

 NPBは昨季まで本塁打の判断に限られていたビデオ判定を、今季から本塁でのクロスプレーにも導入している。