悲劇的なメモリアル登板になった。中日岩瀬仁紀投手(41)が、史上3人目の900試合登板を果たした。4-3の8回に登板したが、2安打と自身の野選で無死満塁とし、連続適時打を浴びて逆転を許した。1死も取れずに3失点KO。うなだれたまま花束を受け取り、ベンチに帰った。チームは4-0からの逆転負けで再び最下位に落ちた。

 「最初のヒットで少しリズムが狂った。結果がすべて。投げさせてもらっているのに裏切らないようにしたい」とポツポツと言葉を出した。歴代最多402セーブを誇る鉄腕。14年から左肘痛に悩まされ、昨年は初の登板なしだった。

 悩んだ末に現役続行を決めて迎えた今季。春先は調子が上がらなかったが、7月に再登録されてからは5試合連続無失点と好投。首脳陣の間ではセットアッパーに近い評価を得るまでになっていた。再昇格の際「覚悟は持っている」と、再び結果を出せなかった場合はユニホームを脱ぐ覚悟まで口にしていた。

 防御率8・59。持ち直せなければ再び進退問題になってくる。CSが遠のき、中日は来季以降もにらんだ戦いに変わっていく。レジェンド左腕はあらためて偉大な足跡を示すと同時に、最後の意地が試される局面を招いた。【柏原誠】

 ▼通算900試合登板=岩瀬(中日) 6日のDeNA19回戦(横浜)にリリーフ登板して達成。米田(近鉄)949試合、金田(巨人)944試合に次いでプロ野球3人目。初登板は99年4月2日の広島1回戦(ナゴヤドーム)。