ロッテ・サブロー外野手(40)が8月31日、今季限りで現役を引退することを発表した。今日1日、QVCマリンで引退会見を開く。11年にトレードで巨人に移籍したが、オフにFAでロッテに戻るなどチームを愛し、ファンから愛された男が、ユニホームを脱ぐ。

 オリックス戦に勝利した右翼席のロッテファンは、最後にサブローの応援歌を歌った。引退を発表した功労者に向けて、はなむけの歌。QVCマリンには、少しの寂しさが漂っていた。数日前、サブローは山室球団社長、林球団本部長と会談。引退の意思を伝えた。伊東監督にも了承を取り、この日の発表となった。

 サブローは「今季限りで現役を引退することを決めました。千葉ロッテマリーンズで05年に31年ぶりの日本一など、日本一を2度経験することもできました。幸せな野球人生でした。それはすべて、どんな時も応援してくれたファンの皆様、そして関係者を始め、いろいろな形でサポートしてくれた方々のおかげだと思っています。感謝しています。22年間、本当にありがとうございました」と、球団を通じてコメントした。

 「40歳までは現役でプレーしたいというのが入団時からの目標」と情熱を持ってプレーしてきた。40歳を迎えた今季は、1軍昇格がなく2軍で若手にまじって鍛錬を続けていたが、プロ入り時からの目標を成し遂げたことで、現役引退の決断を下したとみられる。

 昨年にはチームメートの福浦と少年野球のチームを創設。地元千葉からロッテのスターを育てる活動を始めた。引退後については未定だが、今後も野球界の発展に寄与したい考えは変わらなそうだ。球団では引退試合とセレモニーの開催を企画中。こちらも詳細は未定だが、現段階ではデーゲーム開催の9月25日、オリックス戦(QVCマリン)が有力視される。

 ◆サブロー 1976年(昭51)6月1日、岡山県生まれ。PL学園では3年春に甲子園出場。94年ドラフト1位でロッテ入団。1年目から本名の大村三郎から登録名をサブローとし、背番号も36に。走攻守そろった外野手として活躍し、00年にタレントの中嶋ミチヨと結婚した。11年6月に工藤プラス金銭トレードで巨人移籍。同年オフに、FAでロッテ復帰。球宴出場2度、ゴールデングラブ賞2度。181センチ、90キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸6500万円。