巨人が2年連続でリーグ優勝を逃し、今オフのフリーエージェント(FA)補強へ調査を本格化する。広島に82年の球団史の中で3度目となる本拠地胴上げの屈辱を味わった。目前の歓喜を誰も見ず、ロッカーへ消えて行った。高橋監督は「結果として優勝は広島。だからと言ってシーズンは終わっていない。振り返る時ではない」と強烈な悔しさを胸にしまった。

 ポストシーズンの戦いは残されているが、水面下で来季への準備は進行中。3季ぶりのリーグ優勝奪回へ、戦力補強に本腰を入れる。今オフにFA権行使の可能性のある他球団の主力選手の動向を注視しており、調査を継続中。野手ではオリックス糸井、中日平田、大島、日本ハム陽岱鋼、投手では西武岸、DeNA山口が対象となりそうだ。

 投打ともに質量が足りない。打線は3年連続で低迷。投手陣も高卒3年目の田口が2ケタ勝利を挙げたが、枚数が不足し、前半戦はローテ編成にも苦慮した。糸井、平田、陽岱鋼は走攻守にバランスが取れ、中軸を任せられる能力がある。大島は1番タイプだが、長野らを中軸に回せ、波及効果を期待できる。岸はエース級の力を持ち、山口はローテ3番手以内を任せられる。

 13年オフから3年連続でFA補強しているが、チームの根幹を変える存在となれば、11年オフに4年20億円で杉内、2年4億円で村田と巨額投資した大補強以来となる。2人を加えた12年以降はリーグ3連覇を成し遂げ、チームの構造改革に成功した。高橋巨人2年目の来季へ、全力でFA補強の可能性を追求する。