「株価上昇」の初3発だ! 2連勝のオリックスは糸井嘉男外野手(35)が3本塁打と爆発した。「3本は初めてだったので気持ち良かった。今日は筒香と呼んでください!」。未体験ゾーンに突入して、すこぶる上機嫌。自らDeNA筒香に例えたパワフルすぎる打撃で、2強の一角、日本ハムを沈めた。

 1回は初球を右越え13号。自身4年ぶり先頭打者弾で超人スイッチが入った。2回も右翼席に弾丸ライナーの2ラン。四球を挟んだ7回は、左翼席へ一直線の15号ソロを加えた。日本ハム時代から師弟関係の福良監督も「とにかくすごい」とうなる活躍だった。

 3月に取得した国内FA権の行使を検討していることが明らかになった。他球団が動向を注目する状況下で、高値安定の評価をさらに押し上げる1日となった。先日はFAについての話題に「俺って目玉なん?」と首をかしげたが、宣言すれば堂々たる市場の目玉であることを証明した。

 昨オフは膝への影響が少ない走り方に改善。人生初の3日間の断食にも取り組んだ。迎えた今季はリーグトップの盗塁数がクローズアップされるが、ツボにはまった打球はどこまでも遠くに飛んでいく。さらなる進化へ「そういう気持ちは常に持ってるからね」とニヤリと笑った。【大池和幸】

 ▼オリックス糸井が初の1試合3本塁打。先頭打者本塁打を含む1試合3本塁打は93年9月21日のタイゲイニー(オリックス)以来23年ぶり6人目。このうち3打数連発は61年中(中日)70年福本(阪急)に次ぐ3人目。1回表初球のプレーボール本塁打を含む1試合3発は初めてだ。札幌ドームで1試合3本塁打を放った打者は04年5月1日オリックス戦のエチェバリア(日本ハム)以来2人目。

 ▼オリックス糸井とDeNA桑原が、ともにプレーボールを本塁打。1回表初球の先頭打者本塁打が1日に2本出たのはプロ野球史上初めて。糸井の先頭打者本塁打は日本ハム時代の12年5月16日阪神戦(甲子園)以来、通算2本目。桑原は今年7月31日広島戦(マツダスタジアム)に次いで2本目。