北東北大学野球リーグのノースアジア大(秋田)嶋崎久美監督(68)が辞任していたことが、10日までに分かった。今秋のリーグ戦では6連覇した富士大(岩手)に唯一の黒星をつけたが、5勝5敗の3位に終わっていた。リーグ終了後、成績不振を理由に自ら提出した辞表が受理された模様。12年4月に監督就任し14年春に1部昇格を果たすも、優勝は1度もなかった。

 嶋崎氏は72年から2度にわたり通算34年間、金足農(秋田)の監督を務めた。無名選手を冬の間に名物の「地獄の田沢湖合宿」で鍛え上げ、計7度(春3、夏4)の甲子園に導いた。84年夏の準決勝では、当時2年生の清原・桑田のKKコンビ擁するPL学園(大阪)をあと1歩まで追い詰めた。2-1の8回裏、桑田に逆転2ランを浴びて大金星を逃した。鉄壁の守備をベースにバント、スクイズを多用する「嶋崎野球」は、東北の球史に大きな足跡を残した。

 後任は未定。同リーグ加盟15チームが参加する大館トーナメント大会(14日開幕)は、ノースアジア大の系列の同リーグ3部・秋田看護福祉大の五十嵐龍太監督が、暫定で指揮を執る見込みだ。