金本阪神の秘密兵器を発見!! 2年目の阪神竹安大知投手(22)が20日、鳴尾浜でブルペン投球を行い、金本知憲監督(48)から“新戦力”の期待を受けた。入団前の14年12月に右肘のトミー・ジョン手術を受けた影響で昨季は6人の新人で唯一、1軍昇格0。だが、1年目は投げられないことを承知で青田買いした最速147キロ右腕が、予定通りの進化で今季優勝に貢献するプランが着々だ。

 しなやかな右腕の振りに目を奪われた。2日連続で鳴尾浜視察した金本監督は新人が打撃を行うのを尻目に到着早々、ブルペンへ。捕手の後方で腕組みする金本監督の視線の先にいたのは2年目右腕の竹安だ。捕手を座らせ、カーブやツーシーム、フォークも交えて50球。クセがなく、よどみなく、リズム良く投げていた。

 この日の収穫を問われた指揮官は「竹安、いいボール、投げていたね! 楽しみ、楽しみ。キレイなフォームでシンプルに」と声をはずませた。ルーキーだった昨年は2軍戦に6試合投げただけ。2敗、防御率10・57にとどまっていた。ここだけの話、竹安こそ金本阪神にとって「秘密兵器」だ。初めて投げっぷりをナマで見た監督も期待感をにじませた。

 「ずっと、うわさには聞いていたけど、田中秀太はちょっとホッとしてるんじゃない? (今季1軍で活躍)してほしいよ、もちろん。1年早く、上位でとった選手だしね」

 金本監督と並んで投球を見守ったのが担当の田中スカウトだ。ここだけの話、青田買いの逸材だった。15年10月。竹安すら驚くドラフト3位で指名された。無理はない。前年の14年冬に右肘のトミー・ジョン手術を受け、熊本ゴールデンラークスに在籍した15年も公式戦1試合しか投げていなかった。新任の金本監督も「田中スカウトの推しで。素材でね。いい球質。今までなら、とってない。来年上位にくるんだったら早いうちに取ろうと」と説明。1年後のドラフトで逃すリスクを消すため、前倒しで大胆指名した存在なのだ。

 2月キャンプは高知・安芸の2軍発進予定だが、掛布2軍監督からは1日のシート打撃登板も言い渡されている。その後の実戦も真っ先に投げさせる予定で、期待の高さがうかがえる。売りは最速147キロの真っすぐとキレキレフォーク。竹安も「自然と力が入りました。評価してもらえないと試合で投げられない。自分をアピールしたい」と意気込んだ。2軍で快投を続けて1軍へ。ここだけの話、今年はベールを脱いで大活躍する意気込みでいる。

<竹安大知(たけやす・だいち)アラカルト>

 ◆生まれ 1994年(平6)9月27日生まれ、埼玉・蓮田市生まれの静岡育ち。家族は両親と妹、弟。

 ◆球歴 小学校1年時、富戸ジュニアで野球を始める。中学は伊東リトルシニア。二松学舎大付を1年夏に中退し、伊東商に転校。甲子園出場なし。13年から熊本ゴールデンラークス。15年ドラフト3位で阪神入団。

 ◆漁師仕込み 父建さん(49)は伊東市で漁師。竹安も幼稚園のころから海に出てアジやカツオを釣った。中学時代は父が釣り上げた130キロのカジキマグロも目撃。

 ◆その他 趣味は睡眠。「1日20時間寝たことも」。今季推定年俸840万円。183センチ、80キロ。右投げ右打ち。