今秋ドラフト1位候補で最速150キロ左腕の東大・宮台康平投手(4年=湘南)は、3連覇を狙う明大の前に4回2/3、7四死球5失点で途中降板。左肩痛からの復帰登板を白星で飾れなかった。

 「ニュー宮台」の快投は持ち越された。宮台は初回に146キロを計測。毎回のように走者を背負ったが、4回まで無失点でこらえた。しかし、5回2死で明大・斉藤投手に四球を与えてリズムを崩した。この回4四死球と2連打で5失点し降板。国内外13球団、約30人のスカウトが集結していた。「悔しい。ふがいない。自分のリズムで1イニングでも投げられたら…」と肩を落とした。

 昨夏左肩を痛め、同年秋は10月8日の立大1回戦の1イニングのみだった。その後、再び左肩痛を発症しフォームを一新した。真上から投げ下ろすイメージで、肩に負担のかからない投げ方を模索した。今日はマウンドが予想以上に硬いこともあった。「そこも合わせられなかった。でも、言い訳です」と悔やんだ。

 懸念されるスタミナを補うためにトレーニングを重ね、腰回りは大きくなった。「明日負けたら終わり。いけと言われたらいきます」。02年秋以来の勝ち点と、自身の復活をかけた戦いが始まった。

<スカウト評>

 ▽ソフトバンク小川編成・育成部長 フォームを変えてまだ道半ば。結果うんぬんでなく、しっかり投げられたのを見られて良かった。

 ▽広島苑田スカウト統括部長 肩に負担のかからないバランスのいいフォームになった。こわごわと投げている感じもなかった。

 ▽中日中田スカウト部長 球に角度が出たし、時折ビシッとした真っすぐがきた。あとはこのフォームでどれだけ上昇できるか。