ロッテのドラフト2位ルーキー酒居知史投手(24)が、初めて本拠地ZOZOマリンスタジアムのマウンドに立った。

 イースタン・リーグの西武戦に先発し、3回を1安打無失点。捕手前の内野安打で出した走者もけん制で刺し、打者9人で抑えた。

 試合開始直前から風速13メートルもの強風が吹いていた。「初回はちょっと戸惑ったけど、ちょっとずつ慣れた。こういう球場でやりたいことはできた」。試合前にコーチから「ZOZOで何を感じて、何を考えて投げるのか」と対応力をテーマとして与えられていた。マウンドでバランスを崩すこともなく、しっかりと課題をこなした。

 キャンプからオープン戦途中まで1軍にいたが、4回4失点した3月11日のDeNA戦(横浜)を最後に2軍行きとなった。「オープン戦では内容を無視して、目先の結果ばかりを追っていた」。2軍で自らを「客観的に見た」結果、投球フォームのバランス崩していたことに気が付いた。上半身の力みを減らし、下半身を使う、大学、社会人時代のフォームに戻した。現在は「悪くはない」と状態だという。

 1軍ではドラフト1位の佐々木が、初登板で勝利を挙げた。同期として先を越され「一番は悔しいという思い。その半面負けられない気持ちも芽生えた」。だが、オープン戦の時のような焦りはない。「ライバル心も大切だけど、自分の投球を上でも忘れないように」。自らの力以上の結果を出そうと、力みまくっていた酒居の姿はもうない。好投を重ねていけば、自然と1軍は近づいてくる。【斎藤直樹】