ベテランの1発がチームを救った。2点差を追いついた3回、なおも2死一塁で西武栗山は、カウント3-1からの5球目、140キロ直球を振り抜いた。打球はポール際右翼席へ。「最近は投手と勝負できてないことが多かった。でもあの打席は勝負ができた」。殊勲の2号2ランとなった。

 4月14日以降、右ふくらはぎの炎症と向き合ってきた。今季は好調を維持してきたが、負傷でバランスが崩れた。復活に向けてデーゲーム後は自主的に1時間以上打ち込み。「簡単に取り戻せるわけじゃない。それが分かって良かった。ずっと練習を続けてないとダメだと思ってやってきた。間違ってなかった」。地道が最短距離と再確認した。

 焦らず、1軍に同行しながら、5月に入って「5番・DH」でスタメン復帰。「まだ思ったところに打てるほど状態は良くない。模索中です」。離脱前の4月8日以来となる復活アーチに、光明を見いだした。【鎌田良美】