楽天にまたまた新顔が登場だ。ロッテ戦に「9番右翼」でプロ初スタメンを果たしたドラフト3位田中和基外野手(22=立大)が、両軍無得点の延長12回に決勝2ランを放った。3打席連続三振から延長10回にプロ初安打となる二塁打を放ち、引き分けの見えた土壇場で最高の結果を出した。50メートル5秒8、遠投125メートルの身体能力を誇る大型スイッチヒッター。ドラ4菅原&ドラ5森原のブルペンコンビに続き、楽しみな素材が名を上げた。

 10メートルの逆風を縫った。両軍のレフトフライが軒並み失速していたのに、田中のフルスイングだけは別だった。延長12回2死一塁、初めて右打席に入った。「リラックスして、思い切り、振るだけ振ろうと。打球は見えなかったけど、手ごたえは良かった。スタンドの声援で入るかな、と」。楽天の秘蔵っ子がまた1人、勝負の舞台に飛び込んだ。

 別格の新人だ。昨秋のドラフト直後、星野副会長は「ドラフトはチームの骨格を作る一番重要な“補強”。ビジョン通りのドラフトができた。楽しみなんだ」と不敵に笑った。

 監督から編成の担い手となり、メリハリの利いた戦略を立てた。支配下10選手を指名した内訳は投手が8人。将来を見越して高校生捕手を1人。野手は、田中ただ1人だった。「全員投手でも…と思っていたけど。コイツは面白い。振れる選手だ」と見込んで、無名に3位の高評価を下した。