首位打者よりも優勝! 広島は今日13日からオリックス、ソフトバンクとの6連戦に臨む。「日本生命セ・パ交流戦」で打率2位タイの広島丸佳浩外野手(28)には逆転首位打者の期待もかかるが、本人は個人成績には関心を示さず。球団初の交流戦優勝を目指し、ただチームの勝利だけを願った。交流戦上位2球団を倒せば、球団初の快挙も見えてくる。不動の3番が打線を引っ張っていく。

 北海道、仙台と続いた遠征を終えても、丸は普段通りのルーティンで備えた。休日返上でマツダスタジアムを訪れ、今日から始まる交流戦で首位争いをする2球団との対戦に目を向けた。ここまで交流戦打率2位タイの3割8分8厘。1位ソフトバンク中村晃(3割9分1厘)とは3厘差。交流戦首位打者も射程圏だが、丸はかぶりを振る。「全然。興味ない」。そして語気を強めて続けた。「それよりも優勝」。個人の栄誉よりもチームの栄冠を強調した。

 今季ここまで全61試合に出場し、安定した打撃を続ける。無安打試合は17試合のみ。連続無安打も3試合が最長と、好不調の波が小さい。「(打てないときの原因が)フォームの部分にあるのか、それとも自分の考えからそうなっているのかは違う。そこを毎試合コーチと一緒に確認しながらやっている」。外的要因に惑わされず、貫いてきた自分のスタイルで安打を量産している。

 打撃3部門でリーグ上位にランクインし、出塁率4割1分1厘はリーグトップ。安打や四球などでもリーグ上位につける。試合ではときにチャンスメーカーとなり、ときにポイントゲッターとなる。不動の3番に緒方監督も絶大な信頼を寄せる。「バティスタや(鈴木)誠也が打っていて、なかなかスポットライトを浴びないかもしれないけど、丸の働きは非常に大きい。抜けられたら困る選手。3番として100点満点の働きをしてくれている」。交流戦最多得点を誇る打線の最大の功労者と認める。

 今日から交流戦の優勝を争うオリックス、ソフトバンクとの6連戦だが、丸は平常心を貫く。「(交流戦では投手の)球の軌道が分からないというのはある。でもやることは変わらない。ストライクを打つだけ」。球団初の快挙へ、丸は打ち続ける。【前原淳】