甲子園に初アーチをかけた。西武中村剛也内野手(33)が1点リードの3回に右中間席へ14号3ラン。甲子園77打席目で初めて放った1発で、12球団の全本拠地球場での本塁打を達成した。主砲のひと振りで、チームは再び貯金11とし、交流戦勝率2位に浮上。球界を代表する獅子の大砲が存在感を示した。

 待っていたコースだった。3回2死一、二塁。中村は外角高めの130キロを振り抜いた。走りながら、二塁で右中間席を振り返り、柵越えを確認。「チームとして高めを(待つ)、という指示だった。フェン直かなと思ったけど、手応えはよかったです。しっかり(低めを)我慢して打てましたね」とうなずいた。

 意外にも、ここまで甲子園球場での本塁打はゼロ。高校通算83本を放った大阪桐蔭時代も、聖地には縁がなかった。なぜか相性が悪く、打率も1割台で打点はわずか3だった。試合前には「甲子園は好きじゃないんですよね」。苦笑いを浮かべながらも、こう続けた。「でも昨日はいい感じだったんですよ、何となくですけど」。その予言通り、1打席目には先制の右前適時打。そして2打席目には、甲子園初アーチを、今季初の逆方向への1発で決めてみせた。