リーグ戦再開から戦列復帰を目指す日本ハム大谷翔平投手(22)が、走塁面で追試を受けることになった。20日、札幌ドームで行われた1軍練習に、左太もも裏肉離れ発症後初めて参加した。スパイクを履いてダッシュや方向の切り返しを行ったが、患部に影響する走塁について栗山監督の不安を解消できず、1軍昇格の即決には至らなかった。投打は問題なく、今日21日の全体練習などで走塁も合格となれば1軍復帰が現実になる。

 大谷の1軍昇格は、即決に至らなかった。栗山監督は走塁面について「思った通りではなかった。丁寧に見ていかないといけない」と、不安を拭えなかった。「明日(21日)の練習をやって、翌日の体の張りを見て。(決断はリーグ戦再開の)当日になっちゃう」と、結論は先送りした。投手としての復帰は「もう少し時間をかけた方がいい」と話し、まずは野手として復帰できるか慎重に見極めることになった。

 練習開始直後に、トレーナーを伴って球場外にある天然芝のサッカー場でスパイクを履き、30メートルダッシュや方向の切り返し動作を確認した。大谷は「7割程度です。(鎌ケ谷での練習と)変わらないです」と、内容は平行線だった。まだ全力疾走には至らず、ベースランニングも始める状態まで戻っていないことが、栗山監督の決断を遅らせた。

 今日21日の全体練習でも、走塁面は状態を見てメニューを決める。左太もも裏肉離れも走塁中に発症した。万全でなければ故障再発のリスクも高く、トレーナー陣は慎重な姿勢を崩していない。大谷も状況は理解しているだけに「無事に1個1個クリアしていけばゲームに入れると思う。どの段階で入るかは監督が見て決めると思う」と、人事を尽くして天命を待つ。

 投打に問題はない。この日も打撃では39スイングで7本の柵越え。キャッチボールでは約70メートルの遠投も行った。リーグ戦が再開される23日の楽天戦から戦列復帰となれば、いきなりDHでのスタメン起用も可能性もある。そのためには、追試となった走塁の不安解消が必須。大谷は「もちろん早く戻れればいいですけど、残りのシーズンでしっかりできる方が大事」と話した。23日に復帰か、まだ万全を期すか。ギリギリまで状況を見極めていく。【木下大輔】