中日が今日23日からの巨人戦(東京ドーム)に、4番ダヤン・ビシエド外野手(28)不在で臨むこととなった。08年にキューバから亡命した関係で、市民権取得手続きのため米国に戻っている。22日にナゴヤドームで行われた全体練習にも、背番号66の姿はなかった。

 交流戦ラスト3試合を欠場し、リーグ戦再開には間に合う予定だった。森繁和監督(62)も「じゃなきゃ、抹消しているよ」と予想外の展開。次カードの阪神戦合流も不透明で苦しい戦いを強いられる。だが、泣き言を並べても仕方ない。指揮官は「(右膝痛で離脱した)平田とビシエドはずっと不調だと思えばいい。いる人でやるしかない。他の選手はチャンスだと思ってやってくれないと」とハッパを掛けた。代役4番が濃厚なゲレーロは「ビシエドが帰ってくるまで、みんなで力を合わせてやっていきたい」と引き締めた。

 チームは交流戦を5割で乗り切った。借金8の5位だが、4位巨人に0・5ゲーム差、3位DeNAには3ゲーム差と迫っている。リーグ再開に向け、森監督は「そこらへん(Aクラス入り)が一番の理想」と狙いを定めた。さらに「CSに出ない年数が増えていくのはいけない。経験してグッと伸びるやつがいる。経験しないと意味がない」と続けた。チームは4年連続Bクラスに沈み、CSを経験した選手も少なくなってきた。厳命した12年以来5年ぶりのAクラスには、大舞台を経験してもっと成長して欲しい狙いがあった。

 まずは開幕3連敗を喫した敵地に乗り込む。「開幕とは違う姿を見せてくれないと。この2カ月やってきたことに意味がない」。主砲不在の逆風をはね返し、上位浮上を目指す。【宮崎えり子】