オリックス福良淳一監督(57)が、阪急時代の恩師の上田利治氏(享年80)の死去をいたんだ。

 西武11回戦前に取材に応じ「使っていただいたことが一番の思い出です」と振り返った。数年前、福良監督が日本ハムでコーチをしていたときに、野球評論家だった上田氏と言葉をかわしたのが最後になった。

 「野球の厳しさを教えてくださったのは上田監督。自分でポジションを取る厳しさ、一度つかんだポジションは離さない厳しさなどです。上田監督に『(試合)行けるか?』と聞かれてダメとは言えなかった」。常勝・阪急の強さは、そういった環境でつくられた。体の各所に痛みがあっても、顔色一つ変えずに試合に出続けた福良監督も、厳しさに育てられた選手だった。「また我々の手で、そういう選手をつくっていかなければ」と恩師の教えを胸に刻み、シーズンの指揮を執る。