4番筒香が球宴限定で帰ってくる! DeNA筒香嘉智外野手(25)が、「マイナビオールスター2017」で全セの4番を務めることが決まった。広島緒方孝市監督(48)が、打線で唯一筒香の起用法だけ明言した。DeNAでは、今季途中から3番に入っていた。今日14日の第1戦(ナゴヤドーム)と第2戦(ZOZOマリン)の2試合限定で、日本の主砲がかつての定位置に戻る。

 粋なはからいと、深い信頼を受け、言葉に熱を込めた。全セの4番を務めることが決定した筒香は「ありがたいこと。何とか、ファンの方にいいプレーを見せられるように頑張りたい」。指揮官を務める緒方監督が、迷わず決めた。「4番ゴウよ、筒香よ、もちろん。それだけははっきりしている。誰がクリーンアップを打ってもおかしくない。4番はゴウ。あとは好きに予想してください」。セ界の4番は1人しかいない。

 「4番筒香」が、2試合だけ戻ってくる。DeNAでは6月30日巨人戦から3番に配置転換された。快音が戻りつつあった筒香が、相手投手から勝負を避けられず、さらに爆発するためにと、ラミレス監督が打ち出した奇策。実際に打線の厚みは増し、チームは10年ぶり勝ち越しターンを決め3位キープ。それでも、筒香には4番が似合う。

 託された期待には、バットで応えるつもりだ。試合前のホームラン競争から2年ぶりの王座奪還を狙う。「たくさんの子どもたちに夢を与えられるように打ちたい」と、初出場した15年以来の“アーチスト”に返り咲く。もともと、リーグ戦では「ホームランを狙っているわけではない」と言い切る主砲。「シーズン中はなかなか、全打席で思い切って振ることができない。オールスターしかできないことがある。勝負したい」。球宴の舞台だけはフルスイングでアーチを求める。

 筒香の頭の片隅に常にあるのは、球場にきたファン、そしてテレビで見ている子どもたち。かつて自分が夢を見ていた野球少年だったからだ。緒方監督から「あいつにコンディションは関係ない。侍ジャパンの4番なんだから」と揺るがぬ信頼を受け、球界の祭典に帰ってきた4番筒香は、バットに夢を乗せる。【栗田成芳】