中日2年目の小笠原慎之介投手(19)が、ローテ落ちの危機に直面した。

 巨人長野に初回先頭打者本塁打を浴びると、下位打線からも失点を重ね、5回1/3を6安打4失点で5敗目。この日は2000安打を記念した荒木雅博内野手(39)の「荒木デー」だったが、3試合連続KOされて白星を贈れなかった。チームは5連敗で、4位巨人とは1・5ゲーム差に拡大。後半開幕早々、正念場が訪れた。

 背水のマウンドも、出鼻から苦しい投球となった。小笠原が初回、先頭長野に攻めた内角直球をさばかれ9号ソロ。マウンドからぼうぜんと、着弾した左翼席を見るしかなかった。

 2回は下位打線につながれ1点を失った。6回は3四球からマイコラスに2点打を許した。その直後に交代が告げられた。「いいときも悪いときも打たれているので、何とも言えないです」と言葉を絞り出した。

 1日広島戦では自己最多の4本塁打を浴び10安打8失点。前回8日のDeNA戦は9安打9失点で6回途中KO。前日16日には「二度あることは三度あるのか、三度目の正直なのかは自分次第」と話していた。だが最悪の「二度あることは三度」になってしまった。

 森監督は「やっちゃいけないことをやった。最終的には一番悪い投手に安打を打たれて追加点を取られた。8番、9番にああなっちゃうとね、追加点を取られると」とおかんむり。友利投手コーチは「何か方法をとらないといけない。(3試合連続KOは)本人が一番分かっているはずじゃないか」と厳しい表情だ。2軍での再調整するか、中継ぎ転向か。指揮官は中継ぎへの配置転換を問われると「それはあるでしょう、当然」と復活策を模索する。

 小笠原は巨人戦でこれまで2勝を挙げるなど好相性だった。捕手も武山がスタメンマスクをかぶり、カーブを多用するなど攻め方も変わった。だが自身の連敗も、チームの連敗も止められなかった。「武山さんのリードは勉強になった。自分で考えていけないといけない」。チームの期待が大きい15年ドラフト1位左腕。再起が待たれる。【宮崎えり子】