日本ハム大谷翔平投手(23)が打撃でも、もがいている。後半戦最初の試合となった楽天戦(函館)で、「5番DH」でフル出場したが、4打数無安打に終わった。打線も7試合連続の1桁安打で、1得点のみ。球宴を挟んで今季6度目の4連敗で、地方球場では7戦し、いまだ勝ち星なし。借金は今季ワーストを更新する21に増え首位楽天との差は24ゲームに広がった。

 大歓声がため息に変わった。4回1死二塁。楽天辛島が外角へ投じた134キロ直球をとらえ損ねた。打球は遊撃へのフライ。天を仰ぎ首をひねった。8回1死二塁では三飛。試合後の大谷は「ほとんど打ち損じみたいな感じ」と、悔しさをこらえて振り返った。

 左太もも裏肉離れから復帰後は、野手として9試合出場で19打数4安打、打率2割1分1厘。投手としての調整を挟み実戦感覚を取り戻している段階。走塁面の不安から、出場に制限もかけられている。

 打線は球宴を挟んで7試合連続で1桁安打と湿り続けている。援護がない中、先発有原は8回に崩れた。投打がかみ合わない今季を象徴するような試合で完敗。残り60試合。早ければ、今日19日にもクライマックスシリーズ(CS)への自力進出の可能性が消える。

 栗山監督は試合前、函館市内にある故久慈次郎氏の墓に足を運んだ。日本最古のクラブチーム・函館太洋倶楽部で活躍した野球界の先人に感謝を伝えた。心新たに後半戦初戦に臨んでいた。「なかなか自分たちのペースに持ち込めないのが今年」。チームとしても、理想の野球へもがく日々は続いている。【木下大輔】