ロッテが連敗を3で止めた。

 二木康太投手(22)の1失点完投は大きいが、機動力を使った攻撃で楽天先発のルーキー藤平を揺さぶったことも効いた。

 この日は中村、荻野、角中が盗塁を決めた。1試合3盗塁は今季初めて。しかも、すべて初球に決めた。伊東監督は「行けたら行け」というグリーンライトのサインを出していた。「塁に出てくれてリズムを狂わせた。本来、動ける人が塁に出て、動かして、がウチの形。今年はできていなかったけど」と語った。ここまで95試合でわずか28盗塁。機動力を使った攻撃はまったくと言っていい程、できていなかった。やりたかった攻撃が、96試合目にしてようやく表現できた。

 イースタンリーグ奪三振王の藤平からは4安打しか打てなかったが、しぶとく2点をもぎ取った。投げることだけで精いっぱいになりがちな高卒ルーキーに対し、これもひとつの「プロの洗礼」。2軍で対戦した時には3打数無安打だった中村は「こちらも状態は違う」と先制打を浴びせた上に、盗塁を決めた。「サインが出たし、積極的に行きました。ビデオを見ていたので」。プロ3年目、25歳の内野手は淡々と語っていた。【斎藤直樹】