首位は渡さない。ソフトバンク松田宣浩内野手(34)とアルフレド・デスパイネ外野手(31)のアベック弾で4連勝を飾った。1回、3番松田が先制18号2ランを放つと5番デスパイネも25号ソロ。この3点で日本ハムに競り勝った。2人のアベック弾は今季6度目で6連勝だ。貯金を今季最多32とし、首位をキープした。

 松田が逆方向へ大きなアーチを描いた。初回、1死二塁。外角直球に逆らわず、右翼ポール際のスタンドまで運んだ。「ムチャクチャ飛んだ。パワーアップしたかな」。日々続ける筋力トレーニングの成果が打球をひと伸びさせた。3万8585人、超満員のヤフオクドームのファンと一緒にベンチ前で「熱男~!」と右拳を突き上げた。

 4番柳田が三振に倒れてもデスパイネがいる。フォークに泳がされながらも左翼スタンドへ。来日4年目で自己最多となる25号ソロを放った。「難しい球だったが、コンパクトにいいスイングができた」。ベンチ前でヘルメットを取り、おじぎのポーズで大声援に応えた。

 6回に1点差に追い上げられながら何とか逃げ切った。工藤監督も「初回の3点が大きかった。すばらしい本塁打になった」と感謝した。松田、デスパイネのアベック弾は今季6度目で6連勝。松田は「同じ右打者なのでいろんなことを教えてくれる」と刺激を受け、デスパイネも「彼は人間として最高。いい選手。まわりに元気を与えている」と頼りにする。

 松田18本、デスパイネ25本、4番柳田の27本と合わせ70本。本来の4番内川を左手親指骨折で欠く中、破壊力あるクリーンアップを形成している。これで05年にソフトバンクとなり通算999勝で、1000勝に王手をかけた。プレーオフで敗れるなどはあったが、12年でリーグ優勝は4度、日本一は3度輝いた。工藤監督は「まだ試合は残っている。(今は)いい試合ができているので、頑張りたい」と4連勝にも気を緩めることはなかった。今日14日は京セラドーム大阪で、今季最後の応援企画試合「鷹の祭典」。今季6勝1敗の縁起のいい祭典ユニホームで1000勝を決める。【石橋隆雄】