夏の甲子園で躍動する姿が、評価を変えた。今日22日に天理との準決勝を戦う中村は、ここまで4試合で4本塁打。4戦連続マルチ安打の打撃に加え、盗塁も成功させる走力、さらに定評のあるスローイングでもスカウトをうならせている。この日、同会議に出席した栗山監督も「あそこで打つ、運を引っ張り込む力」と、ここ一番での勝負強さに天性の素質を感じている。

 徹底マークを決めた。清宮、中村の両選手が選ばれている「U18W杯」(9月1日開幕、カナダ)に、大渕スカウト部長をはじめ、チーム統轄本部から3人を派遣。さらに現地で90年代のチームを支えた主砲、マット・ウインタース氏らが務める駐米スカウトも合流し、最後までチェックする。カナダまでスカウトが足を運ぶ予定なのは、現時点ではソフトバンク、西武と日本ハムのみ。同スカウト部長は「あれだけの選手が集まっている中で、化学反応する姿を見たい」。同大会から使用する木製バットへの対応なども評価の対象となりそうだ。

 大谷は早ければ今オフにも、ポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦する可能性がある。今月17日には、中田も国内FA権を取得。チームが変革期を迎える中で、超高校級の清宮、中村には、豊かなスター性と将来性が備わっている。【本間翼】