本来の姿を取り戻した。プレート一塁側を使い、右打者の懐をえぐった。直球、カットボールが抜群で、球威もあった。ピンチにも動じず、微妙な判定にもいら立つことはなかった。「ストライク先行で投げられた。1軍のマウンドはいつも気持ちよく投げられる」。一塁へのベースカバーもしっかりとこなし、自軍に流れを呼び込んだ。

 前日24日までの3連戦3戦連続のサヨナラ負けはテレビで見た。だがナーバスになることはなかった。「いい戦いが出来ていたし、最後のアウトがたまたまとれなかっただけ」。リスタートの試合で、昨季15勝の沢村賞左腕らしく快投。春先は咽頭炎から来る体調不良で約2カ月半も離脱するなど不運なシーズンとはここでおさらばだ。「今まで何も貢献出来ていない。これから先、しっかり試合をつくって、出来るだけ長いイニングを投げたい」と力強く誓った。

 チームも連敗を止め、優勝した昨季と同じ117試合目でリーグ最速の70勝に到達。2位阪神が敗れたため、優勝へのマジックが「21」で再点灯した。緒方監督も「今日はジョンソンでしょう。球に力があって、いいリズムで攻撃につなげてくれた」と喜んだ。ジョンソンのシーズンが“再開幕”した。【池本泰尚】