阪神ドラフト1位の大山悠輔内野手(22)が、プロ初の4番起用に応える先制二塁打を放った。3回2死一、二塁。カウント3-0から、中日笠原の内角カットボールを迷わずに振り切った。鋭いライナー性の打球を左翼線に弾ませ、二塁走者を悠々と生還させた。「思い切っていった結果だと思います。でも一番はチームが勝ったことに貢献できてよかったです」。

 金本監督の采配がズバリ的中した。試合前のスタメン発表に球場内はざわついた。阪神の新人選手が4番で起用されるのは64年の富恵一以来3人目で、その上で安打&打点をマークしたのは球団史上初の快挙だ。

 金本監督は片岡打撃コーチからの進言もあったとし、「本来なら中谷4番もあったんだけど、今の状態で大山の状態もいいし、そこで変に新人だからとか、いきなりとか、僕はそれはなかったですね」。阪神の第101代4番打者として堂々とした振る舞いをみせた。

 やっと相棒が決まった。入団以来、しっくりくるバットが決まらず悩んでいた。解決したのは7月1日ヤクルト戦。プロ初アーチをマークした試合で使用したのが、中谷のバットだった。同型をメーカーに発注し、それ以来愛用している。30日ヤクルト戦で2安打3打点をマークするなど8月の打率は3割1分3厘、2本塁打と好調だ。

 チームも4連勝で、このまま突き進めば逆転優勝も現実味を帯びてくる。【山川智之】