阪神の今カード2度目の引き分けは、フラストレーションのたまる内容だった。初戦に続き、再び勝ちきれなかった。広島の優勝を阻止したが、金本監督に笑みはなかった。「引き分けでも(マジックは)減らないんだ? そこはまあ、よしとして。勝ち切りたかったですけどね」。投打ともに、勝利まであと1歩だった。そこがもどかしかった。

 初回に挙げた2得点では、簡単には逃げ切れない。8回には桑原、9回にはドリスがそれぞれ1点を失い、同点に追いつかれた。鉄壁とまで言われた救援陣の疲労蓄積は明らかだ。「8月からリリーフがね。相手も慣れてきているのもある。そこで勝ってきたチームですから。もうひと踏ん張り、最後までね。ギアを入れ替えてね。がんばってほしい」。2位躍進の要因はブルペンにある。それだけに信頼は揺るがないが、不安はある。

 打線も9回から4イニング連続でサヨナラの好機を逸した。10回裏1死一塁では、俊介がバントのサインを見間違い、打ちにいった。その結果、空振りで右肩付近に投球を受けるアクシデントが発生。そのまま負傷交代した。指揮官はこの場面を嘆いた。「あそこでサインミスするほうが悪い。疑わないと。あんなサインないんだから。タイムをかけて確認するとか。いい経験者なんだから。厳しいことを言うが…。あそこでサインミスは痛いです」。この他にもバントミスが出るなど、攻撃にリズムが生まれなかった。3連戦を1敗2分けで終わり、巨人戦のシーズン負け越しが決定。3位転落の危機はないが、このまま息切れするわけにはいかない。【田口真一郎】

 ▼阪神は今季の巨人戦で8勝12敗2分けとなり3試合を残し負け越しが決まった。これで、12年から6年連続となった。