今季で退任するロッテ伊東勤監督(55)が5年間の指揮を終えた。

 今季最終戦には、若手中心で臨んだ。試合前「今日は1番から9番まで、全部ホームランを打て、と言った。好きにやらせます。サインは、あまり出しません。選手がどれだけ成長したか、見てみたい。相手は岸。良い投手に、どれだけ自分たちの力を出せるか」と話した。

 だが、楽天の継投の前に、4安打無得点で今季初の5連勝は逃した。先発には、2年目左腕の成田翔投手(19)を抜てき。味方のエラーもあり、5回6安打4失点(自責2)でプロ初勝利はならず、2敗目を喫した。

 試合後、伊東監督はさっぱりした様子だった。「終わりましたね。全てが。試合は淡々と進んで。逆に良かったかな。5年間を振り返りながら、若い人を使ってやりました。将来的に今日出た人たちが、チームを支える選手になって欲しいと思って見てました」と話した。

 成田については「慣れてきたとは思うけど、まだまだ勉強することがたくさんある」と、今後の成長を期待した。

 2番手の二木が2イニングを投げ、自身初の規定投球回をクリアした。伊東監督は「年間通してローテを守った。大きな収穫。1年間、本当に頑張った。来年は、もっと信頼される投手になって欲しい」と、同じく期待した。

 また、5年間を総括し、選手たちには「勝負に対する執念を表に出さないと。クールにやるより、ファンも共感を持てる。表に出るタイプが少ない。少しでも前面に出して」と求めた。

 グラウンドを離れる際には、楽天ファンからも声援が飛んだ。「良い思い出をたくさんしてきた。ファンの皆さんは、どういう状況でも応援してくれた。心が折れそうになっても、奇跡を信じて応援してくれた。感謝です。5年間、皆さんと一緒にやれた。最高の5年間でした」と、ファンへのメッセージを送った。