チーム再建の第1歩を新監督の“強運”に託す。ロッテは12日、今季で現役を引退した井口資仁氏(42)と監督就任に関し、基本合意したと発表した。3年契約の年俸8000万円(推定)。明日14日の会見を前に、井口監督は球団を通じ「強く、そしてファンの皆様に愛される魅力的なチームを作り上げたい」と決意表明した。メジャーを経験した日本人が12球団の監督になるのは初めて。歴史的大敗を喫した今季からの立て直しへ、挑戦が始まる。

 引退即就任を不安視する声もあった。だが、山室球団社長は逆転の発想だ。「引退してしばらくどこかでやったからといって、プラスになるとは限らない。逆に、今のチーム状況を分かっているのはメリット。選手として一番近くでチームを見ていた」と強調。直近までプレーしていたからこその視点に期待する。

 早速の大仕事が控える。26日のドラフト会議には、井口監督も出席。1位指名候補には、競合必至の早実・清宮も入っている。山室社長は「誰かは未定だけど、競合でも一番良い選手にチャレンジする。監督に引いてもらおうか」と、くじ引き役は井口監督に託すつもりだ。去年は外れ1位で5球団競合の桜美林大・佐々木を引き当てた実績を持つが「去年で僕は運を全部使った。監督は持っている人」。9月の引退試合で9回に同点2ランを放った井口監督。ドラマチックな展開を、ドラフトでも期待だ。【古川真弥】