広島西川龍馬内野手(22)が12日、「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」(11月16~19日、東京ドーム)に出場する25人の日本代表メンバーに選ばれた。そのお礼とばかりに、三菱重工広島との練習試合(マツダスタジアム)では右翼へ豪快アーチを放つなど2安打。都市対抗出場チーム相手に、2試合連続2桁安打&2桁得点の大勝を導いた。CSファイナルステージは18日に開幕。リョウマが広島での日本一を経て、侍でのアジア一を目指す。

 本能が目覚めた。4点リードの3回2死一、二塁。三菱重工広島の右腕が投じた内角高めの真っすぐに、西川が反応した。右肩を開かずバットを走らせ、インパクトと同時に大きく振り払った。放物線を描いた打球は右翼ポール際へ。大勝を決定づけたこの日2本目のヒットは、高い打撃センスが凝縮された1発だった。

 「何となく(内角高めに)来るんじゃないかと思っていた。打ち損じることなく打てた」

 レギュラーシーズン最終戦から中9日。試合勘を鈍らせることなく、2試合続けて快音を響かせた。前日の2安打に続き、この日も2安打。実戦再開後初の長打が本塁打となった。「右からなかなか打てていなかった。だんだんいい状態になっている」。シーズン終盤から少し鈍っていた状態は上向き傾向。この日の1発が手応えを確かなものにした。

 三塁のレギュラーだった安部の復帰が遅れている。11日のJR西日本戦から続く都市対抗出場チームとの練習試合。チームでただ1人、2試合連続スタメンフル出場は首脳陣の期待の表れだ。石井打撃コーチは「数日前からティー打撃を見ていてもいいタイミングで振れて、バット軌道が良くなっていた。何もなければ(三塁は)西川で行くと思う」と太鼓判を押す。

 侍御礼弾だった。この日、11月に行われる「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」に出場する日本代表に薮田とともに選出された。稲葉JAPANの大事な初陣。「何で選ばれたんやろうという半面、選ばれたうれしさもあります」と喜びを口にしつつ、「まずはポストシーズンなので。そういうのは考えずに、今まで通りやるつもりです」と表情を引き締めた。あくまで照準は、18日から始まるCSファイナルステージだ。「昨年は代打での出場でしたけど、今年はスタメンで結果を残して、勝利に貢献したいと思っています」。目指すは広島での日本一から侍でのアジア一。大舞台に向け、バットマンがその牙を研ぐ。【前原淳】