ソフトバンクの守護神サファテが、工藤監督の執念采配に応えた。8回2死からイニングをまたぐ好投で、1点のリードを死守。今季54セーブの日本新記録を樹立した守護神は、CSでも健在だった。

 「名前がコールされた時の大歓声でアドレナリンが出た。何事にも代え難い快感の中、投げられた」

 CS初、今季3度目のイニングまたぎ。「CS前から(首脳陣に)言われていたし、岩崎と森が3連投していたから準備はしていた」。8回は3試合で2本塁打のアマダーを空振り三振に斬ると、9回もアウト3つは全て空振り三振。最後は155キロで茂木を打ち取った。前日20日の初登板まで中18日空き「今日もボールはそこまでいっていなかったし、水の中で投げている感覚だった」と、苦笑いも、しっかり役割を果たした。

 工藤監督も会心だ。3連投だった岩崎と森を休ませての勝利。「アマダーは本塁打を警戒しないといけなかったので、走者がいなくてもいってもらうつもりだった」と説明。7回はモイネロにもイニングまたぎを命じ「厳しい展開の中でリリーフ陣が踏ん張って勝ったのは大きい」とうなずいた。「明日は全員で力を振り絞っていく」と一気にCS突破を決める覚悟だ。

 この日は、サファテの三女ジェイドちゃんの4歳の誕生日。お立ち台には3人の愛娘と一緒に上がった。「家族と一緒にお祝いできるのは何より」とパパの顔になった。今日22日は妻ジェイダさんとの10度目の結婚記念日。家族への感謝を胸に、日本一のマウンドに上がる。【福岡吉央】

 ▼サファテが8回2死から登板してセーブ。回をまたいでのセーブは7月1日楽天戦(1回2/3)同30日日本ハム戦(1回1/3)に次ぎ、公式戦を含め今季3度目。プレーオフ、CSで回をまたいでのセーブは15年1Sの内(ロッテ=1回2/3)以来。ソフトバンクでは05年2Sの馬原(1回2/3)以来となった。

 ▼ソフトバンクの今季CS4試合での計13失点はすべて先発投手が許し、救援投手はまだ無失点。勝利投手は第3戦岩崎、第4戦石川だった。CS最終Sで先発勝利がないシリーズ進出なら史上初めてになる。